卵から幼生期の飼育について
国産サンショウウオの飼育はぜひ、卵や幼生から飼育することをすすめます。
成体を採集して飼育するのは環境に対するダメージが大きいので成体を採集して飼育するのはすすめられません。
- 用意するもの。
- ケージ・・・プラケースで十分ですが、個体数が多いときや山地渓流性の種類の場合はフィルターを使う場合もありますのでガラス水槽がよいのは当然です。サイズはいざというときに冷蔵庫に入る大きさがよいでしょう。
ただし、あっという間に上陸をする種類(ツシマサンショウウオなど)もありますので蓋は必要です。
- 冷却装置・・・必ずしも必要ではありませんが...
- 濾過装置・・・スポンジフィルターでエアレーションしながらがよいと思われます。飼育する個体数が少なければ必要ありません。
- 水温計
- 上陸用陸地・・・水量を確保するために園芸用のプラスチックのネット(植木鉢やプランターの中に敷く黒いやつ)を針金などで組み立てて水苔などを載せておくとよいでしょう。上陸前でよいです。
- 底砂・・・無くてもかまいませんが濾過バクテリアのためにも大磯砂や赤玉土などを入れるとよいでしょう。
- 世話(卵嚢から孵化まで)
- 卵嚢のときは特にエアレーションなどは必要ありませんが必ず水中に浮くような形がよいようです。底につけると孵化率が下がるようです。
- 原因は不明ですが孵化した幼生が卵嚢の外に脱出できずに全滅することがあります。はじめの孵化幼生が体を動かしているのに外に出てこず、かつ他の卵の発生が止まっているような場合はそのままにしておくと孵化した幼生は中で死んでしまいます。ピンセットで卵嚢をもって振るとどちらかの端から中身がすべて出てきますので孵化幼生を救出して下さい。
- 孵化幼生はプランクトンしか食べられない大きさですのでこの時期にブラインシュリンプなどの準備をしておきます。
- 世話(幼生期)
- 数が多いときは濾過が必要になります。観賞魚店で濾過バクテリアを購入してケージ内に入れておくことをすすめます。
- 孵化直後から二週間くらいはブラインシュリンプを与えるとその後の成長がよいようです。給餌は毎日行います。
- 孵化10日目くらいから冷凍赤虫を与えてみます。はじめは動いている物しか興味を示しませんのでイトミミズがよいのですが冷凍赤虫を解凍して一匹ずつピンセットでつまんで目の前で動かすと食います。赤虫を食うようになってもしばらくはブラインシュリンプは与え続けましょう。
- 成長すれば赤虫は入れるだけで食うようになります。ある程度掃除をこまめに行い餌を多めに与えればかなり共食いは防げますが、大きさにばらつきが出てきたら成長の遅い個体は別に飼育します。ジャムのビンや小さなプラケースでも赤玉土などを入れて毎日、水換えをすれば飼育できます。
- ジャムのビンなどで飼育できた種類・・・カスミ、オオイタ
- 種類によっても異なりますが水質はやや硬度が高い方が成績がよいようです。
- サンゴ砂などを入れて硬度を上げた方がよかった種類・・・ツシマ、ベッコウ
- 特に違いは見られなかった種類・・・トウキョウ、カスミ、トウホク、クロ、オオイタ
- 温度はあまり低くせずに早く成長させた方がよいようです。
冷却装置について
上陸直後の飼育について
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製作:星野 (ihoshi@mb.infoweb.ne.jp)