冷却装置について

　国産サンショウウオ類はどちらかというと高温に弱いので冷却装置の必要性がよく話題になります。結論から言えばハコネサンショウウオやベッコウサンショウウオのように山地渓流に生息する種類には夏場は必要になります。しかし、平地に生息する種類には夏場でも日陰の風通しのよいところならば夏を乗り切れる場合がありますので必ずしも必要であるとは言えません。しかし、あった方がよいのは事実です。

• 冷却装置の種類・・・使ったことがある物ばかりではありませんが。
  • 水槽用クーラー・・・水を冷やします。幼生飼育には便利だと思います。成体飼育には向いていません。・・・短所：高価である。陸上を冷やせない。

  • 家庭用冷蔵庫・・・家庭用冷蔵庫の中にケージを入れます。・・・短所：中が観察できない。家庭で利用している場合ひんしゅくを買う。

  • エアコン・・・部屋全体を冷やす。これが理想的ではあるのですが．．．・・・短所：部屋一つをサンショウウオに使わなければならない。

  • ガラスショーウィンドー冷蔵庫・・・私はこれを利用しています。ドリンク剤販売用のを中古で購入しました（５万円）。中も見えますし、外に置けば音なども気になりません。何よりかなり多くの個体を飼育することができます。・・・短所：空気が乾燥しやすい。

    ガラスショーウィンドー冷蔵庫	水槽用クーラー

• ガラスショーウィンドー冷蔵庫の使用方法
  • 購入方法・・・この手の物を専門に扱うリサイクルショップなどがあります。そこで購入しましょう。いろいろなサイズや種類があるので自分の使える範囲で購入します。段階的に温度の調整ができる物がよいです。

  • 購入するときは必ず温度設定がどのくらいまでできるのかを聞きます。いくら高温に弱いと言っても１５℃くらいまで下げれば十分です。

  • 冷蔵庫自体の使用方法は購入先で良く聞いて下さい。

  • 設置場所は屋外ならば直射日光が当たらないところで必ず屋根がついていて雨水などがあたらないところにします。屋内ならば音が気にならないところに設置します。

  • 扉側の面以外はガラスはすべて発泡スチロール板で覆います。かなりの断熱効果が得られます。

  • ケージを置いてみてそれぞれの場所の温度を測ります。温度調節を最弱にすれば最も低いところが１５℃くらいになります。その個体に最も適した温度のところにケージを設置します。

• 使用時期

  私の住んでいるところは宮崎県ですので６月くらいから使用しています。
  めどとして最も低温を好むハコネサンショウウオで気温が１８℃くらいから冷蔵庫内に入れています。また、平地性のサンショウウオの成体は２５℃くらい。平地性の幼生飼育は３０℃くらいまでは平気のようですので冷蔵庫内に入れず日陰で飼育すればよいと思います。しかし、冷蔵庫で冷やしても餌は食いますし成長もしますから冷蔵庫内で飼育することをすすめます。
  従って、ハコネサンショウウオ以外はほとんど９月いっぱいくらいで冷蔵庫から出します。