ヒダサンショウウオの孵化

孵化(卵嚢内)孵化直後

解説
ヒダサンショウウオの孵化は、卵膜を破り卵嚢内に出てきます。そして流涙中で生活出来るような体になるまで数日間卵嚢内に留まります。(画像左)
やがてからだが出来上がってくると卵嚢の先端から外界に泳ぎだしてきます。(画像右)

特徴的なのは、孵化したばかりの幼生は非常に大きな外鰓を持っていることです。本来酸素が豊富な渓流に棲息するため鰓は小さくても酸素を十分取り入れることが出来ますが、卵嚢内では実質的に水の流れが無く酸素濃度の低い止水状態となっている為と考えられます。この事からヒダサンショウウオは、元来止水棲のサンショウウオが山間部の渓流に進出していったと考えられます。
写真ではハッキリしませんが、孵化後しばらくは止水棲サンショウウオの幼生に見られる平行桿(バランサー)も存在します。

孵化した幼生は、卵黄が多く残りしばらく石の下(伏流水中)に潜みながら成長を続けます。そして大きな外鰓も小さくなり渓流に適した体型になります。また、指先に黒い爪が現れますが、東京都産のヒダサンショウウオの幼生には爪が確認出来ないようです。少なくとも私の観察ですが・・・


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